ASIAN KUNG-FU GENERATION「ソラニン」|青春の終わりと、それでも続く人生を鳴らすロック
皆さんこんにちは。音文学編集部の池ちゃんです。皆さん、休日はいかがお過ごしでしょうか。個人的な話にはなりますが、この度音文学は月間1000PVを達成しました。Googleからの検索流入で1000PV入ってきた事がGoogleからお知らせメールが来ておりました。非常に嬉しい限りですね。とはいえ、収益化等は今の所考えておりませんので、クリーンなWEBメディアとして、楽しんで頂けると幸いです。
さて、今回取り上げる楽曲はASIAN KUNG-FU GENERATIONの名曲中の名曲「ソラニン」になります。この曲は私としては、本当に指折りの名曲だと思っています。浅尾いにおさんとアジカンの組み合わせは最高だなと感じた、そんな楽曲です。今日はこちらを紹介していきます。
目次
「ソラニン」とは何か──青春の終わりを描いた物語
2000年代以降の日本のギターロックを語る上で、決して外せない存在がASIAN KUNG-FU GENERATIONです。通称”アジカン”として知られる彼らは、
- エモーショナルなギターサウンド
- 文学的な歌詞
- 青春の焦燥感を描く世界観
によって、多くのリスナーの心を掴んできました。その中でも「ソラニン」は、特別な位置を占める楽曲だと思っています。
この楽曲をご存知の方であれば、当たり前の事ですが、この曲は漫画家浅野いにおさんによる同名漫画「ソラニン」、そして映画版ソラニンと深く結びついています。
夢と現実のあいだで揺れる若者たち。社会人になり、自由だった学生時代との違いに戸惑う日々。
「ソラニン」そうした、誰もが迎える”青春の終わり”を描いた作品であると言えます。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONというバンド──青春を鳴らし続けるギターロック
文学性を持つバンド
アジカンの最大の特徴は、ロックバンドでありながら非常に文学的な世界観を持っている事です。ここではアジカンの文学的な特徴について、解説していきます。ソラニンに関しては、浅野いにおさんが作詞を手掛けておりますので、お間違いなく。
それ以外のアジカンの楽曲は基本的には後藤正文さんが書いています。ボーカルの後藤正文さんが書く歌詞には、
- 孤独
- 焦燥感
- 日常への違和感
- 未来への不安
といった感情が強く含まれていると私は考察します。そのような世界観と浅野いにおさんが書いた歌詞はマッチしていると私は考えています。上記の4点は単なる青春賛歌ではありません。
むしろ、
「夢だけでは生きていけない」
「でも夢を捨てきれない」
という矛盾を抱えたまま進んでいく人間の姿が描かれています。
2000年代の日本ロックシーンとの関係
2000年代の日本のロックシーンでは、
- BUMP OF CHICKEN
- ELLEGARDEN
- ストレイテナー
など、”青春”をテーマにしたギターロックが大きな支持を集めました。
その中でもアジカンは、より都市的で現実的な感情を描くバンドとして存在感を放っていました。「ソラニン」は、その魅力が極めて色濃く表れた楽曲だと言えると思います。
サウンド分析──疾走感と切なさが共存するギターロック
アジカンらしいギターアンサンブル
「ソラニン」のサウンドでまず印象的なのは、やはりギターです。
クリーンと歪みを行き来しながら、感情を押し上げていくアンサンブル。イントロのギターの音を聞くだけで、胸が締め付けられる気持ちになります。シンプルでありながら、一音一音に熱量があります。
このギターサウンドには、”前に進みたいのに進めない感情”がそのまま刻まれているようです。
疾走感の中にある喪失感
楽曲全体には疾走感があります。クリーンからクランチにギターの音色が切り替わり、疾走感を持って楽曲は進んでいきます。しかし、この曲には独特の切なさがあります。
──前へ進もうとしている。
──でも過去を捨てきれない。
その感情が、サウンド全体に滲んでいるなと私は感じています。
歌詞考察──夢を諦めきれない人たちの歌
”普通の人生”への違和感
「ソラニン」が描いているのは、特別な才能を持った人間ではありません。
むしろ、
- 就職したものの未来が見えない人
- 音楽を続けたいけど現実が重い人
- 大人になりきれない人
そうした”普通の若者”です。だからこそ、この楽曲は多くの人に刺さります。10代をこの楽曲で過ごした人、大人になってこの曲に出会い、過去を振り返る人。そういったどの世代にも刺さる楽曲であると私は考えています。
夢を追うことの難しさ。
現実との折り合い。
社会に適応していく息苦しさ。
それらが非常にリアルに描かれているからです。
喪失の中で鳴る希望
しかし、「ソラニン」は絶望だけを歌う曲ではありません。この曲には、”それでも生きていくしかない”という強さがあります。
完全な希望ではない。
けれど、完全な諦めでもない。
その曖昧さこそが、「ソラニン」の核心だと言えると思います。
人生は思い描いた通りにはいかない。──それでも、人は前へ進んでいく。
この曲は、その姿をロックとして鳴らしています。
なぜ今でも「ソラニン」は愛されるのか
「ソラニン」が今でも多くの人に愛されている理由は、この楽曲が”人生の途中”を描いているからでしょう。
夢を叶えた後ではなく、
夢を諦めた後でもない。
その途中にいる人間の感情を、この曲は極めてリアルに描いています。
だからこそ、
- 社会に出たばかりの人
- 何者にもなれない不安を抱える人
- 過去の青春を思い出す人
それぞれの人生と、この曲は重なります。
以上の事を踏まえ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」は、青春が終わったあとも人生は続いていく事を教えてくれる、日本ロック史に残る名曲だと言えます。
いかがだったでしょうか。アジカンのソラニンについて、考察は深まりましたでしょうか?アジカンの最新情報はアジカンの公式サイトからご覧ください。リンクはこちら。
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音文学管理人。TSUJIMOTO FAMILY GROUP主宰。トラックメイカーでもありながら、音文学にて文学的に音楽を分析している。年間数万分を音楽鑑賞に費やし、生粋の音楽好きである。「私が愛した人は秘密に満ちていました。」大反響を呼び、TSUJIMOTO FAMILY GROUPの前身団体とも言えるスタジオ辻本を旗揚げするまでに至っている。現在新作「突き抜ける群青に泣け。」の制作を開始している。




