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絢爛たる青春の結晶──でんぱ組.inc「絢爛マイユース」についてのライナーノーツ

2025.7.26

#でんぱ組.inc#ライナーノーツ#レコメンド#曲紹介

どうも。音文学管理人の池ちゃんです。最近はアイドルソングも良く聴くようになりました。ピコピコした秋葉原系サウンドが個人的には好みだったりします。アイドルソングって明るい曲が多いので、元気が欲しい時に聴くととてもエネルギーチャージが出来て良い感じです。

さて、今回はそんなアイドルソングの金字塔だと個人的に思っているでんぱ組.incさんで「絢爛マイユース」という楽曲について取り上げていきたいと思います。

ちなみに前回はthe band apartの名曲「Eric.W」を取り上げています。良かったらそちらも併せてご覧ください。リンクはこちらから。

でんぱ組.incの変遷:電波系アイドルソングの枠を超えて

でんぱ組.incさんは、その唯一無二の世界観と高い音楽性で、いわゆる「アイドルソング」の枠を大きく広げてきました。彼女たちは、オタク文化の象徴として登場しながらも、自己肯定と共感、未来への希望を武器に、ジャンル横断的な音楽を届け続けています。

その中でも「絢爛マイユース」は、グループとしての成熟と進化を象徴する一曲です。疾走感溢れるサウンドに、眩しくも切ない青春のきらめきが詰まった本楽曲は、聴く者全てに「生きることの輝き」を伝えています。

「絢爛マイユース」とはどんな楽曲か?

コンセプト:煌びやかな「わたしだけの青春」

タイトルの「絢爛マイユース」は直訳すれば「煌びやかな私の青春」。英語と漢字の組み合わせが象徴するように、個人的でありながら普遍的な青春の美しさを描いています。

この楽曲たちは、彼女たちが掲げてきた「前向きな自己肯定」と「多様性の肯定」の延長線にありつつ、より感情的でパーソナルな表現へと進化しています。

絢爛マイユースのリリースと位置づけ

「絢爛マイユース」は、2020年代以前の再編成される前のでんぱ組.incによってリリースされた楽曲であり、伝統的なグループとしての成熟したフェーズを象徴する重要な一曲です。特に上記のYouTubeライブでは夢眠ねむさんの卒業公演であり、卒業していくメンバーを見送るフィナーレとしてこの曲は選ばれています。夢眠ねむさんの卒業と新たな体制で繋がっていくでんぱ組.incとお客さんの化学反応、そして時代に呼応するようなサウンドと歌詞が、従来のファン層だけでなく新しいリスナーにも届きました。

また、この動画が投稿された時期も重要になってきます。この時期は全世界が恐れた新型コロナウイルスが蔓延していた時期となります。世界的に「おうち時間」やマスクの着用が推奨され、この映像に映っているような大規模なライブなどができなくなってしまいました。そんな状況下にこの動画は公開されました。私としても、とても勇気づけられた記憶があります。また笑って皆でライブを観に行けるような世界線が来る事を祈りました。

音楽的特徴とサウンドの魅力

絢爛マイユースの疾走感と重層的なアレンジ

イントロから炸裂するエレクトロ×ロックの混合サウンドは、まさに「でんぱ組らしさ」の進化系だと思います。BPMの速さに対し、各パートのメロディは明快で、聴き手の耳に残りやすいフレーズが丁寧に設計されています。

アレンジにはサイバー感の強いシンセや歪み気味のギター、ダイナミックなドラムが使用されており、曲全体にエネルギーが満ち溢れています。中間部はビートがハーフになり、感情に寄り添うセクションを作ることで、サビへの爆発力が更に際立ちます。

絢爛マイユースのボーカル:個の光とハーモニー

各メンバーの歌声がソロとユニゾン、掛け合い、そして多重コーラスとして巧みに配置されており、メンバーの個性が活きつつもひとつの大きな光になるような構成になっています。

特にサビでのハモリとオクターブ上下の重なりは、感情の高まりを視覚的に音楽的に感じる程の効果を持ちます。言わずもがなこの曲の作曲者は「玉屋2060%」さんです。この辺りの緻密な楽曲設計は素晴らしいなと思います。AメロBメロとサビを転調させたりと、音楽的なギミックが散りばめられていて、聴いていて飽きない構成となっています。

絢爛マイユースの歌詞の深層:青春という名の自己肯定

「普通じゃない」ことを肯定する言葉たち

でんぱ組.incの歌詞世界に共通するのは、「自分のままでいい」と歌いあげる姿勢です。「絢爛マイユース」も例外ではなく、むしろそのメッセージがいっそう強く、そして詩的に表現されています。例えば

夢が燦燦 絢爛マイユース 私だけのもの
引用元:Uta-Net(こちら

という一節には、「他人からの理解を求めず、自分の情熱を肯定する」という強さがあります。他人からどう思われているのかではなく自分の心がときめくのかというところがポイントであると思われます。

絢爛という言葉とは裏腹に見えない不安と戦う勇気

歌詞の中には一見ポップに聞こえる表現の裏に、孤独や不安も見え隠れしています。しかし、それらを否定するのではなく、あえて共にあるものとして描いている点に、この曲の深みがあります。歌詞は終始明るいですが、不思議なもので辛い事を思い出す事もあるかと思います。ですが、この曲はそれでも「未来は明るい」というメッセージを強く押し出しているかと思います。

だからこそ、「青春」はただの輝かしい時間ではなく、痛みや悩みを抱えた上での「絢爛」であるとこの曲はリスナーに伝えたいのではないでしょうか。

メンバーたちの現在地と「絢爛マイユース」

この楽曲をパフォーマンスするでんぱ組.incの姿は、単なるアイドルという枠を超え、「個性の集合体が放つ希望の光」として映ります。夢眠ねむさんの他にも卒業されたメンバーは沢山おりましたが、より多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まった今の彼女たちこそ、「マイユース」という言葉がリアルに響きます。それは単なる若さではなく、「自分を大切に生きること」のメタファーとして機能していると思います。

夢眠ねむさんの卒業公演というフィルターがこの動画にはかかっていますが、新しいでんぱ組.incとして再出発するエネルギーも動画から感じられます。そして、最後の紙吹雪の様子はメンバーから愛されていたんだなというバックグラウンドすら感じられます。

私も非常に寂しいですが、電波組.incは2025年に活動終了となりました。今回紹介したライブ映像は2019年のものですが、6年間新体制のでんぱ組.incとして走ってきたメンバーの皆さんには改めてお疲れ様でしたと申し上げたいです。長い間日本に元気を供給してくれてありがとうと言いたいです。

まとめ:絢爛マイユースは絢爛なる一瞬を生きる賛歌

「絢爛マイユース」は、煌めく青春の応援歌であると同時に、「誰かと違っていても大丈夫」とそっと背中を押してくれるラブレターのような楽曲だと思います。

でんぱ組.incの真価が、アイドルの枠にとらわれないところにあるとすれば、この楽曲はその魅力を余すところなく詰め込んだ結晶のような存在だと言えるでしょう。

未来のことなんてまだ分からない。でも、いまこの瞬間を、私のままで走り抜ける。それが「絢爛マイユース」であり、あなたへのエールなのです。

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