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Tomggg「いちごミルク」徹底解説──ena moriの声と甘さが織りなす音のスイーツ


#ena mori#Tomggg#ライナーノーツ#レコメンド#曲紹介

インターネット黎明期から比べると、情報も時代も大きく変わってきました。そんな2010年代は個人的には中田ヤスタカさんを筆頭とする「カワイイ」文化が構築され、そのエッセンスを受け取った次世代の曲がインターネット上で生まれている。そんな気がしております。そんな2020年代のインターネット以降の音楽カルチャーにおいて、「かわいい」と「テクニカル」が高度に融合したサウンドが注目されています。

その象徴であると個人的に思っているのが音楽プロデューサーのTomgggさんとシンガーであるena moriさんがコラボレーションして作った楽曲──「いちごミルク」本記事では、音楽的アプローチ歌詞の世界文化的背景の3つからこの楽曲を掘り下げ、何故この曲が唯一無二なのかを解説していきたいと思います。

Tomggg いちごミルク:ポップで実験的な音の遊園地

音の質感が「いちごミルク」そのものである

曲名が「いちごミルク」という事もあり、楽曲に出会った最初の人は驚きもあるのではないでしょうか。イントロから鳴り始めるキラキラとしたシンセサイザーは何故かどことなく「甘さ」を感じる仕上がりになっていると思います。ジャンルレスに考える事もできますが、ジャンルで絞るならエレクトロニカの軽快さ、そして跳ねるようなビート。これらが重なることで、まるで飲み物としてのいちごミルクを音で再現したようなサウンドの質感が生まれていると思います。

「いちごミルク」とマッチしたサウンドデザイン

更に凄いのがTomgggさんの拘って作られたサウンドデザインです。イントロのポコポコしたサウンドは、扱っているものが飲み物──液体である事を示唆するような意味合いがあると思います。また、キックのデザインもポコポコしたものになっているかと思います。ですが、ロー(低音)もしっかり出ています。現代の音楽において十分な低域を確保しながらも、しっかりと甘さを感じられるサウンドデザインが素晴らしいと思います。

Tomggg いちごミルクに込められたメッセージと文脈

いちごミルクを歌っている歌手は誰ですか?

紹介している本作でボーカルを務めているのは、フィリピンを拠点とするアーティスト──ena mori(エナ・モリ)さんです。ena moriさんの声は少女的な側面もありますが、大人的な強い声もある。独自の路線を確立させているサウンドに仕上がっています。

更に凄いのは、ena moriさんの声はTomgggさんのプロダクションに溶け込むどころか、その世界観を拡張する力を持っています。

余談ですが、Tomgggさんとena moriさんは近年も合作をしておりポカリスエットのCMにも起用された「なんてね」という曲も紹介させて頂きます。こちら別途記事にしておりますので、良かったらご覧ください。記事はこちら

いちごミルクの曲を作った人は誰ですか?

そもそもこの曲を作った人は誰なのか──皆さんも知っているかもしれないTomgggさんです。Tomgggさんは海外でも定着した「Kawaii」──「カワイイ」を楽曲の中に織り込む事でヒット作を連発した音楽プロデューサーです。個人的に好きな曲を下記に示します。

聞いていてワクワクする曲調ですよね。日本のカルチャーでもある「Kawaii」を全面的に押し出した作風が好きです。ですが、今回のいちごミルクはネクストステージに上がったなと感じられるものでもありました。「Kawaii」を押し出している部分は変わりませんが、そこにカッコよさも入ってきたのではないかなと思います。

Tomggg いちごミルクとCM・カルチャー的側面

いちごミルクのCM曲は?

いちごミルクはとてもキャッチ―な曲でCMにも起用されているのではないかなと思い、この記事を執筆する時点で調査をしてみました。すると、やはり予想通りCM楽曲としてフィーチャリングされている事が分かりました。実際のCMが下記のYouTubeです。

CM自体もかなりカラフルな色合いで、いちごミルクという楽曲のポテンシャルが最大限発揮されたものとなっていると思います。ただし、個人的に思う事としてはTomggg×ena moriの「いちごミルク」は商業曲ではなく、アートとしてのポップソングという側面が強いのが特徴です。

それでも、耳に残るフックやサビのメロディライン、視覚的な言語と結びついたタイトルなどは、CM的な即効性を持ったアート作品とも言えるでしょう。私も音楽を少しやっていますが、この曲のキャッチ―さは異常だと思います。(勿論、良い意味でです)主題として「いちごミルク」というジュースを持ってくるセンスも格別だなと感じています。

Tomggg いちごミルクを”音文学”として読む

いちごミルクのサビの部分を和訳してみました。和訳すると下記のような歌詞である事が分かりました。

自販機でいちごミルクを買う
日本橋に向かう電車の中でレコードを聴く
人の目なんて気にしない
ただピンクの色が好きなだけ
そして今、財布を探している
座席に置き忘れたみたい
それやばくね?
(それやばくね?)
引用元:こちら

記事を書くにあたって、前述したCMで英語の中に「日本橋」という歌詞が聞こえるという声がありました。実際に「日本橋」と言っている事が判明しました。和訳するとこのようになりました。「Getting my いちごミルク at the vending machine」という所は聞き取れていましたがが、それ以降の歌詞はこのような意味になっていたのですね。最後に日本語で「それやばくね?」という歌詞が入ってくるのですが、何故「やばい」のかがこの和約を見て分かった気がします。歌詞のジャンルとしては「日常系」なのかなと思いました。日本橋に電車で行って、財布を座席に忘れてしまった。それヤバくね?といった感情の変化が見事に描かれています。そこに「ピンクの色が好きなだけ」というワード。つまり、いちごミルクが好きである事を示唆しているのだと思います。

【まとめ】 Tomggg × ena moriのいちごミルクは”音で飲むスイーツ”だった

「Tomggg × いちごミルク」は視覚的に想像しやすい分かりやすさと、音楽的な複雑性、さらには文学的な奥行きを持つ稀有な作品である事が、紐解いていく中で分かってきました。サウンドデザインは極めて現代的であり、面白いギミックが散りばめられている事も分かりました。

ena moriの声とTomgggの手腕が結びついたこの楽曲は、単なる”かわいい曲”では終わらないと思っています。現代のポップスの最前線として「音のスイーツ」として、そして「耳で読む詩」として、確かな存在感を放っています。

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